小児科では、子ども特有の病気や成長に関する問題に幅広く対応し、必要に応じて専門医(小児循環器科、小児神経科、小児外科など)へ紹介することもあります。

一般診療(急性疾患)

小児科の一般診療は、子ども(新生児~思春期)の急性疾患や日常的な健康トラブルに対応する診療です。特に、感染症やアレルギー疾患、消化器系の病気、呼吸器疾患などが多くみられます。

  • 風邪やインフルエンザ(発熱、咳、鼻水、喉の痛みなど)
  • 胃腸炎(嘔吐、下痢、腹痛)
  • 気管支炎・肺炎(咳が続く、呼吸が苦しそう)
  • 中耳炎・副鼻腔炎(耳の痛み、鼻づまり)
  • アレルギー反応(じんましん、アナフィラキシー)

慢性疾患の管理

慢性疾患は、長期間にわたって症状が続く病気や、定期的な治療・管理が必要な病気を指します。一般的なものとして、喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・成長や発達の問題などがあります。

  • 気管支喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • 食物アレルギー
  • 成長・発達の遅れ
  • 小児肥満や生活習慣病

予防接種(ワクチン)

予防接種は、子どもが感染症にかかるのを防ぎ、重症化を防ぐために非常に重要な医療行為です。日本では、定期接種(公費負担)と任意接種(自己負担)の2種類があります。

  • 定期接種(BCG、四種混合、ヒブ、肺炎球菌、MRワクチンなど)
  • 任意接種(ロタウイルス、インフルエンザ、おたふくかぜなど)

乳幼児健診

乳幼児健診は、赤ちゃんや子どもの成長・発達を定期的にチェックし、病気の早期発見や育児相談を行う健診です。

  • 発達や成長の確認
  • 身長・体重測定
  • 離乳食や栄養相談
  • 運動発達や知能発達のチェック

小児特有の病気の診断・治療

小児期(新生児~思春期)は、免疫が未熟で感染症にかかりやすく、大人とは異なる病気が多いのが特徴です。

  • 水ぼうそう(みずぼうそう)
  • 手足口病
  • 突発性発疹
  • 百日咳
  • 川崎病 など

事故・ケガの対応

子どもは成長とともに活動範囲が広がり、事故やケガのリスクが増えます。特に乳幼児期は予測できない行動が多く、事故が起こりやすいため、注意が必要です。

  • 打撲・骨折・やけど
  • 異物誤飲
  • 熱中症
  • 中毒(薬、洗剤など)

発達・心理相談

当院では、子どもの発達や心理面の問題についての相談・診断を行っています。特に、言葉の遅れ、運動発達の遅れ、注意力の問題、対人関係の困難さ、不安や情緒の問題など、さまざまなケースに対応します。

  • 発達障害(ADHD・自閉症スペク・トラムなど)
  • 夜尿症(おねしょ)
  • チック症
  • 摂食障害(偏食・拒食)

小児科専門医による「低身長外来」のご案内

お子さまの身長、気になっていませんか? 「周りの子より背が低い気がする…」「成長が止まっているように感じる…」「思春期がなかなか来ない…」または「思春期が早い気がする…」 そんなお悩みをお持ちの保護者の皆さまへ。当院では日本小児科学会認定・小児科専門医による「低身長外来」を行っています。

低身長とは?

成長曲線で同年齢の95%より低い位置(-2SD以下)にある場合、「低身長」とされ、医学的評価が必要です。 原因には以下のようなものがあります。

  • 体質性低身長(家族性や思春期の遅れ)
  • 成長ホルモン分泌不全症
  • 甲状腺ホルモン異常
  • 染色体異常(ターナー症候群など)
  • SGA性低身長(出生時に低体重・低身長で、その後の身長が十分に追いつかない場合)
  • 慢性疾患や栄養障害

当院で行う評価・検査(一般的な流れ)

低身長の原因を把握するために、成長の経過と基礎的な医学的評価が重要です。 当院では以下のような初期評価を行います: 成長曲線の作成(母子手帳・健診記録などをご持参ください) 身長・体重・成長スピードの測定 問診(家族歴、食事内容、生活習慣、既往歴など) 必要に応じて、以下のような基礎的検査をご案内します: 血液検査(甲状腺機能や成長ホルモン関連項目など) 骨年齢評価(手のX線による評価) ※ より詳しい検査や治療が必要と判断される場合は、内分泌専門医や専門医療機関への紹介を行っています。

対象年齢

概ね3歳〜思春期前後までの成長に不安があるお子さまが対象です。特に年長児〜小学校中学年でのご相談が多くなっています。

担当医師 久保田 泰央(くぼた やすお)

資格

  • 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
  • 日本血液学会認定 血液内科専門医・指導医・評議員
  • 日本小児血液・がん学会認定 小児血液がん専門医
  • 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
  • 医学博士

略歴

2008年3月
島根大学医学部医学科 卒業
2008年4月〜2009年3月
茨城県立中央病院 初期研修医
2009年4月〜2010年3月
東京大学医学部附属病院 初期研修医
2010年4月〜2010年9月
東京大学医学部附属病院 小児科専門研修医
2010年10月〜2013年3月
藤枝市立総合病院 小児科医員
2013年4月〜2015年3月
埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科レジデント
2015年4月〜2016年3月
東京大学医学部附属病院 小児科助教
2016年4月〜2021年10月
東京大学医学部附属病院 病院診療医
2021年11月〜2024年3月
Cleveland Clinic(米国)血液腫瘍内科 ポストドクトラルフェロー
2024年4月〜
東京大学医学部附属病院 小児科助教

担当医師 足立 夏帆(あだち なつほ)

資格

  • 日本小児科学会認定 小児科専門医

略歴

2016年3月
東京大学医学部医学科 卒業
2016年4月〜2018年3月
関東労災病院 初期研修医
2018年4月〜2018年9月
太田西ノ内病院 小児科専攻医
2018年10月〜2019年3月
東京大学医学部附属病院 小児科専攻医
2019年4月〜2021年3月
茅ヶ崎市立病院 小児科専攻医
2021年4月〜2022年3月
成育医療研究センター 内分泌代謝科フェロー
2022年4月〜2025年3月
東京大学医学部附属病院 小児科助教
2025年4月〜
東京大学大学院医学系研究科 博士課程在籍