失神とは、一時的に脳の血流が低下することにより引き起こされる一過性の意識消失のことです。失神は多くの場合は自然に速やかに改善します。低血糖やてんかん発作などの意識障害が遷延する場合は失神とは言いません。軽症の症例で多いのが迷走神経反射と呼ばれる急に立ち上がったりして血圧が急に低下することで生あくびや冷や汗、嘔気、嘔吐などの症状を伴う失神です。一般的によく「貧血」で倒れると言われているのがこの迷走神経反射です。重症の症例で多いのが心原性の失神です。命に関わる心筋梗塞、不整脈や弁膜症、肺血栓塞栓症や大動脈解離などが隠れていることもあります。失神は、原因がわからない症例も多々あり粘り強く検査することが重要です。

検査について

心電図や24時間心電図、心臓超音波などを行い心疾患が隠れていないかを検査します。必要な場合は頭部CTやMRIの撮影を行うこともあるかもしれません。失神は救急医療の現場でも原因がはっきりしないことも多く、繰り返す失神の場合は植え込み型ループレコーダーを留置して失神時の不整脈の有無を確認することもあります。